「親には子どもの感情を育てる義務がある。でも、それは感情を
出さない子に育てることではなく、むしろちゃんと感情を出せる子
に育てることなのです。」
“楽しい、嬉しい”等のポジティブな感情だけでなく、“腹が立つ、悔しい、悲しい”等のネガティブな感情もちゃんと出せるように育てましょうと書かれています。
例えば、近くにスコップ等の砂遊びの道具を置いて、子どもが砂場で夢中で遊んでいます。そこに、他の子がやって来て、勝手にスコップを持っていきました。すると、子どもは「○○君が勝手にとった」と泣いたり、怒ったり。そういう時、我が子になんて言いますか?
「そんなことで泣かないの」とか「がまんしなさい」「貸してあげなさい」「いいかげんに泣くのを止めなさい」 あるいは、「勝手に持って行っちゃうなんて、お母さん(あるいはお父さん)が注意してあげる」。 そんなふうに言うことが多いのでしょうか。
そういうとき、「悔しかったね。スコップをとられて、すごくいやな気持ちだったね」、そう言ってあげましょうと著者は言います。
何故なら、子どもが身体で感じている感情を、親がきちんと察知して、適切な「言葉」で名づけてあげるというプロセスを通して、子どもは自分の感情を「言葉」に置き換えるということができるようになるから。
そういうことがなく、ネガティブな感情を認めてもらえないと、不安や恐怖、悲しみ等の強い感情を感じたら危険を感じるので、防衛本能が働き、「感じなくなる」「封印する」ようになるそうです。
子どもが子どもらしく、その喜怒哀楽を表現できるように。そして、そういった感情を受け入れて貰える経験を重ねていけたら、他の子の色んな感情も受け入れていくことができるのではないでしょうか。
また、次のようにも書かれていました。「子どもの人の迷惑かえりみずのエネルギーが生きる力となる」、「ちゃんと泣ける子に育てましょう。『泣く』ことができるということは、子どもの泣きに耐えられる大人がいてはじめて成立します。
泣ける子は、人を信じることができる、心の自然治癒力が育っている、身体の力で自分の深い感情を安全に抱えることができる。」
そうは言っても、子どもが泣いたり、怒ったり、すねたりしていたら、周りからどう見られるかって気になります。親としてちゃんとできていないって評価されているのではないかって。だから、子どもが自由に感情を表出することが怖くなってしまう。
そのためには親自身が「安心・安全」でなければなりません。機会があればこの本を読んでみてはいかがでしょうか。県立図書館で借りられます。
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